OpenAIがAMDに出資し6ギガワットのチップ大型契約を締結、5年間の提携で数百億ドルの価値

October 07, 2025
AMD
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ニュース概要

OpenAIとAMDは2025年10月6日、戦略的提携契約を締結したと発表しました。OpenAIは今後数年間で6ギガワット相当のAMD製GPUを導入する予定で、最初の1ギガワット相当のAMD Instinct MI450シリーズGPUは2026年下半期から導入が開始されます。契約の一環として、AMDはOpenAIに対し、最大1億6000万株の普通株式ワラントを発行しました。これはAMDの約10%の株式に相当し、これらの株式は特定の目標達成時に段階的に権利確定されます。今回の提携は、AIチップ市場におけるNVIDIAの支配的地位に対する直接的な挑戦と見なされています。

前例のない規模の提携

契約条件に基づき、複数年にわたる提携期間中、AMDはOpenAIに数十万個のAIチップを提供し、OpenAIは6ギガワット相当のAMD製チップを調達することを約束しました。この戦略的提携は、AMD Instinct MI450シリーズおよびラックレベルのAIソリューションから始まり、将来の世代の製品にも拡大されます。OpenAIはこれらのチップを直接購入することも、クラウドコンピューティングパートナーを通じて調達することも可能です。

AMDのCEOであるリサ・スー氏は、この取引が今後5年間でAMDに数百億ドルの新規収益をもたらすと述べました。AMDのCFOであるジーン・フー氏は、OpenAIとの提携がAMDに数百億ドルの収益をもたらし、同時にOpenAIのAIインフラ構築を加速させると予想されると述べました。この契約は双方に大きな戦略的相乗効果と株主価値を生み出し、AMDの非GAAPベースの1株当たり利益に高い増益効果をもたらすと予想されます。

株式インセンティブによる双方の利益の連携

AMDは、戦略的利益をさらに調整するため、OpenAIに対し最大1億6000万株のAMD普通株式ワラントを発行しました。これらのワラントは、特定の目標達成時に権利確定されます。最初の株式は、初期の1ギガワット相当の導入が完了した時点で権利確定され、調達規模が6ギガワット相当に拡大するにつれて、さらに多くの株式が順次権利確定されます。権利確定は、AMDが特定の株価目標を達成すること、およびOpenAIがAMD技術の大規模導入に必要な技術的・商業的目標を達成することにも関連しています。

この取引の発表後、AMDの株価は月曜日の取引で23%以上急騰し、1日で時価総額が約1000億人民元増加しました。これは、資本市場がこの提携を高く評価していることを示しています。

NVIDIAの独占体制を打破

現在、NVIDIAはAIチップ市場で支配的な地位を占めています。NVIDIAのデータセンター部門は昨年1150億ドル以上の売上を記録しましたが、AMDのAI関連収益は2025年に約65億ドルに達すると予想されています。今回のOpenAIとの提携は、業界ではAMDがAIチップ市場でNVIDIAに仕掛ける最も直接的な挑戦と見なされています。

OpenAIの共同創設者兼CEOであるサム・アルトマン氏は、この提携がAIの可能性を最大限に引き出すために必要な計算能力を構築する上で重要な一歩であると述べました。AMDの高性能チップにおけるリーダーシップは、彼らが進歩を加速させ、より迅速に高度なAIの恩恵をすべての人にもたらすことを可能にするでしょう。

技術協力路線の深化

この最終契約の下、OpenAIはAMDを中核的な戦略的計算パートナーとして、AMD技術の大規模導入を推進します。これはAMD Instinct MI450シリーズおよびラックレベルのAIソリューションから始まり、将来の世代の製品にも拡大されます。技術的専門知識を共有してそれぞれの製品ロードマップを最適化することで、AMDとOpenAIはMI300Xから始まりMI350Xシリーズへと続く、複数世代にわたるハードウェアとソフトウェアの協力を深化させています。

AMDのCEOであるリサ・スー博士は、OpenAIと協力してAIコンピューティングを大規模に提供できることを大変喜んでいると述べました。この提携は、AMDとOpenAIの強みを結びつけ、真のウィンウィンの状況を生み出し、世界で最も野心的なAI構築を可能にし、AIエコシステム全体の発展を推進するでしょう。

OpenAIの計算能力需要の背景

評価額5000億ドルを超えるAIアプリケーション大手であるOpenAIは、計算能力に対する需要が極めて旺盛です。今回のAMDとの大規模な提携は、OpenAIがその拡張に必要なハードウェアリソースを積極的に確保していることを反映しています。チップサプライヤーの多様化戦略により、OpenAIは単一サプライヤーへの依存度を低減できるだけでなく、価格や供給面でより大きな交渉力を得ることができます。

この戦略的提携は、AIインフラ構築が新たな段階に入ったことを示しており、AIチップ市場の競争環境に大きな変化が起きていることを予兆しています。AMDは今回の提携により、急速に成長するAIチップ市場でより重要な地位を占めることが期待されます。